2016年4月12日火曜日

成年後見制度利用促進法

パソコンとの相性が悪いのか、時々投稿できなくなってしまいます。
久しぶりに(と言っても土日もはさんでいますが)接続できました。

8日は成年後見制度の利用促進を図る「成年後見制度利用促進法」が成立しました。
成年後見制度は、介護保険制度と合わせて禁治産制度に代わって導入された制度です。

愛光園では、法的に整えられたので、きちんと対応しましょうと啓発活動を行ってきました。弁護士の方に講師に来ていただいたり、司法書士による相談会を行ったり。
知的障がいの方は、後見・補佐・補助の何らかの類型にあてはまるだろうということで、ほとんどの方が制度を利用されています。

しかし、この間障害者権利条約が批准されるなど、状況が変わってきました。報道でも指摘されていますが、本人に代わって意思決定してよいものなのか。ご本人とご家族の利害は一致するとは限りません。その中で家族後見でよいのか。
では弁護士や司法書士など第三者ならよいかというと、本人についてどこまで知っているのか、意思をくみ取ることができるのか、悩ましい問題です。

どんな人にも意思はあるというのが前提です。
その意思をご本人が表出して、周りの人がそれを理解して意思をくみ取ることができるか、というのは、人によってはかなり難しいのは事実だと思います。
さらにその思いを実現できるかというのは、障害の有無にかかわらずなかなか夢を実現は難しい以上に、障がいのある方は難しいと思います。

ただそこに向かって、ご本人の思いを聞く、その実現に向けて努力する姿勢が大切です。

現在成年後見制度で問題にされているのは、その手前で、本人の意思があるのにそれを無視、場合によっては反することをしたり、財産を横領したりといったレベルのものです。これらは後見制度以前の問題であり、制度の有無にかかわらずあったと思いますし、逆に制度があるので「問題」として表に出てきていると思います。その意味では制度は一定の意味があったと思います。
今後利用拡大するに当たっては、そんな低いレベルではなく、ちゃんとご本人の思いを聞くことを、少なくとも聞こうとする姿勢をいかに担保していくか鍵でしょう。

法案可決に際しての付帯決議
一、障害者の権利に関する条約第十二条の趣旨に鑑み、成年被後見人等の自己決定権が最大限尊重されるよう現状の問題点の把握に努め、それに基づき、必要な社会環境の整備等について検討を行うこと。
二、成年後見人等の事務の監督体制を強化し、成年後見人等による不正行為の防止をより実効的に行うため、家庭裁判所、関係行政機関及び地方公共団体における必要な人的体制の整備その他の必要な措置を十分に講ずること。
は当然のことでしょう。
この付帯決議の内容は永遠の課題かもしれませんが、関係者はその精神を忘れず取り組んでいただきたいと思いますし、愛光園としても大事にしていきたいと思います。

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